別班まんじゅうが教えてくれた、わが街の甘味レベル

向かいのお宅の萩が、今年も咲き始めた。

「ああ、秋になったんだな」と思った。

とはいえ、ここのお宅の萩は5月頃にも咲く。

 

初めて5月に咲く萩を見た時、

「最近の異常気象で、植物の成長する感覚が狂ってしまったんだ」

と思って眺めていたけれど、どうも毎年2回咲いている。

ここのお宅の萩は、1年に2度咲くタイプのようだ。

 

炊いたもち米を「あんこ」で包んだ和菓子は「おはぎ」であるが、

このおはぎ、見た目が萩の花に見えることから「おはぎ」と呼ばれると知った時は驚いたものだ。

さらにいえば、「おはぎ」と「ぼたもち」は同じものだと知った時はより一層驚いた。

 

春の彼岸も、秋の彼岸も、お彼岸に食べられるものは「おはぎ」で

「ぼたもち」という食べ物は別に存在しているのだと思っていた。

時々画像で見かけても

「私には同じように見えるけど、きっと材料が違うとか、もち米のこね具合が違うとか、

見た目にはわからない違いがあるに違いない」と思っていたのに、

全く同じものだとは想像もしていなかった。

 

春の彼岸⇨ぼたもち(牡丹餅)=牡丹の花にちなんで

秋の彼岸⇨おはぎ(御萩)=萩の花にちなんで

 

同じものなのに季節によって呼び方を変えているのは、なんと日本的な感覚であることか。

季節があるからこそ生まれた日本人のこの感覚は、

四季のない気候に住んでいる海外の人から見れば、不思議に感じることだろう。

 

ところで朝ドラと大河ドラマ以外は、テレビドラマはほとんど見ない私だが、

とうとう世間で流行っているアレに手を出し、面白さを知ってしまった。

 

VIVANT

 

第1シーズンは一度も見ていなかったのだが、

第2シーズンが始まった直後に「VIVANTが面白いらしい」と噂を聞きつけた夫が見てみようと持ちかけてきた。

 

第1シーズン第1話をAmazonプライムで見てしまったらもう止まらない、一気に第1シーズン最終話まで見てしまった。

今では毎週日曜日が楽しみで仕方がない。

 

そんなVIVANTが先月、ファミリーマート限定で「別班まんじゅう」を発売した。

発売初日にはSNSで

「5件回ったのに、手に入れられなかった」とか

「運よく手に入れられました!」などの投稿が相次いだようで。

 

「え!?みんな、そんなに欲しがるの?」と疑問に思ったのだが、

手に入れにくいとなると、なぜか手に入れたくなるのは人の心理。

別にまんじゅうが食べたかったわけではないのだが、「別班まんじゅう」を入手したくなってしまった。

 

発売開始から4日目だったが、まんじゅうを探しにファミリーマート1件目。

どこの商品棚に置いてあったのか痕跡すらなく「やっぱりもう売り切れちゃったんだ…」と。

2件目。やはり置いてない。

これは手に入れられたら相当ラッキーなんだな、と思い始めた4件目、レジ前のテーブルに別班まんじゅう発見!

案外と早くに見つけられた。

 

 

想像していたよりも、かなり毒々しいピンク色。

紅白まんじゅうの赤い方が淡く見えてしまうくらいのピンク、いやショッキングピンク色のまんじゅう。

普段ならこの色に怯んで買わないと思うのだが、ここは話題性重視、家族人数分ゲットする。

 

さて、夕食後のデザートタイム。

別班まんじゅうをかぷっ。

 

ま、普通のまんじゅうだね。

というか、私の中でいえば中の下の味。

いたって普通だね。

 

裏面を見る。

超大手パンメーカーの製造だった。

そりゃそうよね、TBSが普通の和菓子屋さんに発注するはずはないよね、大手に頼むよね。

可もなく不可もない、お味なわけだわ。

そして私たち夫婦は、別班まんじゅうを頬張りながら、気づいた。

 

普段私たちが食べている和菓子って美味しかったんだ

 

ここ川越、和菓子屋さんがあちらこちらにある。

江戸時代創業の老舗の和菓子屋さんから、令和になってから開店した個人店まで。

 

亀屋さんの「亀の最中」「亀どら」

くらづくり本舗さんの「福蔵」

菓匠右門さんの「いも恋」

紋蔵庵さんの「つばさかりん」

 

私の推しは

和菓子紫水さんの、その場で焼いてくれる「きんつば」

和菓子龍月さんの、やはりその場で仕上げをしてくれる「兎玉」

川越菓舗道灌さんの「道灌まんじゅう」

 

街には「製餡所」の看板も。

ここは年末に伺うと、栗きんとんならぬ「豆きんとん」を売ってくれる。

 

川越は和菓子を食べるには困らない街だ。

そんな街で、今日はこちらのまんじゅう、来週はあちらのどら焼き、などしているうちに、

私たち夫婦の舌は肥えていたようだ。

 

別班まんじゅう、私の好奇心は満たしてくれたけど、お腹はそこまでではなかったね。

 

まもなく秋のお彼岸。

そろそろ川越の和菓子屋さんは、おはぎが並んでいることだろう。

美味しいあんこを食べるとしよう。

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