どうでもいい思い出話

今日、ふと、どうでもいいことを思い出した。

まだ病院で働いていた10数年前の話。

 

患者さんがお亡くなりになると

「エンゼルケア」という処置を行う。

点滴を抜き、死後の処置と言われる処置を行い、

お身体を綺麗に拭いて、清潔な衣服に着替えるのだ。

 

そして最後に、軽くお化粧をする。

いわゆる死化粧だ。

 

患者さんは病気などのため、

痩せていたり、逆に浮腫んで太っていたり、

そして亡くなっているので当然のことながら、顔色が悪く、

元気だった頃とは、違う見た目になっていることが多い。

 

そんな見た目を、苦しんだように見えないように

少しお化粧をするのだ。

男性でも女性でも、化粧を施す。

 

とある仕事の日、

病棟で患者さんがお亡くなりになった。

私はその方の担当ではなかったので、

エンゼルケアは担当ナースにまかせ、他のことをしていた。

 

私が働いていた病棟は、ご高齢の方ばかりの入院する病棟で

しかもご家族が見守る中で息を引き取られる…という、

普通の人が想像するご臨終の場面はあまりなく、

ご臨終に立ち会えないケースの方が多かった。

 

お亡くなりになられた患者さんも、ご家族が到着されてなかったので

先にエンゼルケアを済ませてしまい、ご家族が到着するまで病室で待機しましょうとなった。

 

その病室での待機中。

すでにエンゼルケアは終わって、亡くなられた患者さんお一人が、病室で横たわっているという状況。

 

別の病室への検温で、亡くなられた患者さんの病室の前を通った時、

ふとドアの隙間から見えた患者さんの様子に、なぜか気になるものがあった。

ドアを開けて病室に入り、亡くなられた患者さんをみると

 

 

高齢の男性なのに、かわいいメイクをされていた…

 

 

「ちょっ、誰!○○さんのエンゼルメイクしたの!

おじいちゃんが超かわいいチークしてるんだけど💦」

と思わずナースステーションに走り込んで、叫んでしまった。

 

その日の担当ナースは、20歳の新人ナースだった。

その新人ナースちゃん、仕事の時でもキチンとメイクをしていて、本当にかわいい子だったのだけど

どうやら、自分と同じメイクの仕方で、おじいちゃんにチークを入れたらしい…

 

(おじいちゃんが、こんな感じのメイクをされていた…)

 

あのあと、ご家族がどういう反応をしたのか覚えていないのだが、

人にはそれぞれ、それ相応のメイクがある…と思った話。