古典的なお香に
「六種の薫物(むくさのたきもの)」というのがあります。
薫物というのは「空薫物(そらだきもの)」のことで
空薫物というのは、空間に香りを満たすお香なのですが、
使われていた時代が平安時代の頃からで
平安時代には線香はまだないので、
薫物/空薫物といえば、練香のことなのです。
そもそも練香自体が、日常的なお香ではないので
聞いたこともない人がほとんどではないでしょうか。
私自身も、香司養成スクールで知ったくらいです。
「六種の薫物」は文字通り、6種類の練香のこと。
平安時代から現在にまで続く、お香の香りの「お題」のようなものです。
その6種類はそれぞれ薫く季節が決まっていて、
今の時期、夏に薫くのは「荷葉」になります。
荷葉は「かよう」と読み、ハスの葉を指しますが
お香では葉ではなく、ハスの花の香りを指します。
(↑今年、我が家で育てた蓮の花)
このお香の荷葉、古書によっては「はちすのか」と書いてあることも。
はす。はちす。
習った時は、あまり深く考えず、
昔はそういう似た言い方をしていたのかと思う程度だったのですが
蓮を育てて、なぜそんな名称なのかがわかりました。
我が家の蓮、今日はこんな感じ。
見た目、気持ち悪っ。
蜂の巣に似ているっ。
ここまでくると、ハスの花の香りが
”はちすのか”なのか分かります。
完全に見た目から出来た名前!
蓮の語源を調べると
やはり、蜂巣から来ているようで
それが詰まって、現代では”はす”になったらしい。
画像を時系列に並べると、こんな感じ。
美しさからグロテスクへの移り変わりがすさまじい。
途中過程は、モンスターズインクのモンスターにいそう…
蓮は泥の中から生え、美しい花を咲かせることから、
清浄な心や悟りの象徴とされているようですが
年老いた時にどんなに醜くなっても、蓮は蓮なのだということを
私は付け足そうと思います。
お盆が過ぎると、一気に夏が終わる感じがしますね。
お香の香りは、荷葉から菊花へと移ります。
文字通り、菊の花の香りの季節です。
昔と違って、今は9月も暑いので
菊の花の季節はもう少し先になりますが
そろそろお香の菊花の仕込みをしようかな…なんて思ってます。