度肝を抜かれた!正倉院以外にも蘭奢待が…

サントリー美術館で開催されている

『徳川美術館展 尾張徳川家の秘宝』

行ってまいりました!!

 

名古屋・徳川美術館といえば、

大量の香木が所蔵されているということで

香司の研修でも行った場所。

 

徳川家康は香木コレクターだったのです。

お目当ての香木は3点ありました。

 

伽羅 銘 大伽羅

羅国 仮銘 初春

真那賀 銘 一声

 

伽羅、羅国、真那賀は香木の種類。

銘はその香木の名前。

名前は天皇、香道志野流宗家がつけたものであり、

徳川家の偉大さを感じました。

 

と、その香木の隣に展示されていた小さな木の破片。

 

もともとは金と銀の2枚の和紙で

包まれていたようで、

和紙も一緒に展示されている。

そして、作品名を見てびっくり。

 

『蘭奢待』

 

え?蘭奢待!?

蘭奢待ってひとつしかないんじゃないの!?

 

蘭奢待は、正倉院に収蔵されている香木。

信長が切り取ったことで有名。

けれど、家康は切り取っていないはず!?

 

なぜ??

 

音声ガイドによると、

香木は、同じ香調のものは

同じ名前で呼ばれる、と言っていました。

 

へ〜そうなんだ〜

 

確かに、

伽羅や羅国も、採れた土地ではなく

「伽羅の香り」「羅国の香り」というふうに

香りによって種類分けしているという話は

聞いたことがあるので

そういうことかな、と思いつつ、

 

でも蘭奢待って名前でしょ?

そもそも蘭奢待の香りを知っている人でないと

その分類はできないし、と

若干もやもや。

 

なのでググってみたら

面白い記事を発見。

 

平安時代末期、近衛天皇が

毎晩何かに怯え、うなされるようになった。

天皇に憑いた病魔を退散させるべく

白羽の矢が立ったのが源頼政。

 

頼政が御所を見回っていると

「鵺(ぬえ)」という怪物が現れた。

これを頼政が矢を放ち的中させ、

待ち構えていた家臣が太刀で仕留めたという。

 

この褒美として頼政は天皇に

「獅子王」という名の太刀を下賜され、

同時に蘭奢待も与えられたという説があるらしい。

 

その蘭奢待は

大田道灌(江戸城を建てた人。ちなみに川越城も)の手に渡り、

江戸時代の初めには

2代将軍徳川秀忠の娘が所有、

 

さらに香道志野流のもとにあったが

1700年代に尾張徳川家に献上されたという。

 

なるほどね。

こっちの説の方が、私は腑に落ちる。

 

家康自身は、蘭奢待の経歴から

不吉なものとして切り取らなかったのに、

別のルートから徳川家にやってきた蘭奢待。

 

歴史って、面白いわ。

 

香木・蘭奢待以外にも

国宝 源氏物語絵巻もあり、

見応えたっぷりでした。

 

 

『徳川美術館展 尾張徳川家の秘宝』は

今週末9/1までの開催。

開催日数がわずかなので

気になった方はお早めに!!