普賢菩薩の乗り物

昨年の8月からの

2ヶ月に1回のお楽しみ「京ことば源氏物語」。

この週末に「六帖 末摘花」を聴いてきました。

 

山下智子さんのゆったりとした口調の

源氏物語の朗読。

源氏物語の朗読、といっても

古典の源氏物語を読んでいるのではありません。

京ことば源氏物語は

国文学者中井和子先生が

現代京ことばに訳された本。

現代といっても令和の時代ではありません。

100年ほど前の京都の言葉です。

それを宮中に仕える女官(=女房)が語るように話す、

女房語りで聞かせてくださいます。

大河ドラマ「光る君へ」は

皆さま、がっつり共通語を話されてますが

京都弁を聞くだけで

「はんなりだわ〜」と

はんなりがなんなのか分かっていないのに

思うわけですよ(笑)

それくらい、京都は独特なものがある!

ゆえに、源氏物語を耳で聞くには

京都の言葉がいいのでは?と

素人ながらに思います。

けれども京都の言葉は

外国語なわけですよ、埼玉県人には。

令和の言葉でもわからない時がある。

そこへ100年前の京ことばですから

もう、わからないことの方が多いわけです…

でも、たった100年ですよ。

言葉って結構早く変わるのですね。

(だから正しい日本語を話さないと

間違った言葉が継承されてしまうような気がします。

礼法のお稽古では、言葉遣いも学びます♬)

ただ本編が始まる前に山下さんが

楽しくあらすじを教えてくださるので

どんな話なのかは分かったうえで聞けています!

今回の「末摘花」の中で気になった言葉、

「普賢菩薩の乗り物」。

 

(普賢菩薩 画像はウィキペディアからお借りしました)

末摘花の姫君の鼻を表現した言葉です。

現代人だと、よほどお寺や仏様が好きでないと

考え込んでしまいますが

平安の人は、普通の共通認識として

持っていたのでしょうね。

しかも乗り物って。

「ゾウは乗り物なんだ〜」と思いました、

カレーは飲み物です、みたいな(ちょっと違うけど)

山下さんがおっしゃっていましたが

「話し言葉は残らないので

平安の人がどんなふうに話していたのかは

本当のところはわからない」

言われてみれば、そうだなあと。

こういった話し言葉も

誰かが話していかなければ

なくなってしまうものなんだと感じました。

こちらの画像は「京ことば源氏物語」で

いつも一緒に展示されている、

宮川保子さんの写本と

田上惠美子さんのとんぼ玉。

 

 

入り口には末摘花に合わせて

紅花が活けてありました♡